発達障害・不登校関連のお子さんの指導に携わっている人間として、大きな問題の1つが昭和生まれの方、平成初期生まれの方、今の若いお子さんを含めて算数・数学が弱いことです。それも国語・社会・数学・理科・英語の中でダントツで数学が弱いというお子さんが多いこと。これが挙げられます。最も得意な科目が国語、その次に英語、理科、社会ときてダントツ悪いのが数学・算数ということです。今後情報・簿記などの科目も以前よりも重視されるようになります。そうなると数学力の弱さが昔以上に大きくなるかなという懸念を抱いています。
中学2・3年生の各都道府県の業者テスト、また各都道府県の高校入試などを見ても数学の平均点が50点を超えることはめったにありません。45点にも届くかどうか、だいたい42・43点というところが多いです。これは私が中高生だった昭和末期も今もほとんど変わりません。サイエンススクールなどもできたので少し期待もしたのですが、やっぱり算数・数学は上がっていないということが分かりました。
知り合いの理数系の先生に聞いても、中学数学の連立方程式・因数分解あたりからかなりの子が脱落する。連立方程式の文章問題を解くことができる子はクラスのほんのわずかというところも少なくないということが分かりました。私の時代も中学数学の時点で少数のできる方と大多数の標準を少し下回る子という構図がありました。ただ今はさらに格差が広がったかなと思われます。
20人の成績を10点・20点・25点・25点・30点・30点・30点・35点・35点・35点・40点・40点・45点・45点・50点・50点・60点・70点・80点・85点。これで合計が840点なので平均が42点です。数学の業者テストを行うとこれに近い得点分布が出るのではないかと予想されます。ある程度数学ができているというラインの60点を超えるお子さんは2割超、いても4人に1人程度ではないかと思われます。大多数が40点以下というところまではいかないまでも6割が40点以下、7割が50点以下という可能性はかなり高くなっていそうな感じがします。また3名に1名が30点に届かないかもしれないということもあり得そうな気がしてきました。これだと少し大変な気がしてきました。
やはり女の子が数学で稼げない、論理的な思考が難しい、先生の指導が良くない、記号などでおかしくなってしまう。様々な要素が考えられます。また算数・数学は解けないまま次の単元に行ってしまうともう解けません。英語や社会のように他の単元で取り返すということはできにくくなります。その辺りから数学が嫌になって面白くない→勉強をしない→成績が下がるの悪循環に入ってしまうのかなという気がします。
実は中学レベルの数学だと九九と30程度のルールを覚えると高校入試で50点は取れるのではないかと考えています。-×-の積は+、-3の2乗は-9・(-3)の2乗は+9、これで2つ。このようなルールを30個程度覚えると50点までは届くと考えています。50点以上になると関数やら図形やらでもっと厄介になるので大変です。ただ50点までは最も少ない勉強時間で届くのではないかと考えているのは考えています。英作文30文、歴史の年表を30個を覚えても英語や社会で50点には到底届かないでしょう。そうしてみると数学は意外に点を取りやすいと思っています。ただそれを理解できる方は数学をある程度分かっている方だけという実態もあります。
文字や記号で考えない、お金・ゲーム・お菓子・生活などに引き直して考える。これに九九ができれば第1段階の計算問題はクリアできる、文字や記号は数字や数字の塊として考える。これで何とか因数分解・二次方程式までは行けるのではないか・・・。そういう試行錯誤を日々続けています。
これは難しいですね。幾多の数学の先生がクリアをできなかったところなので、そう簡単に解決のできるところではないのでしょう。そのノウハウを知っている先生がマンツーマンで行って何とか食らいつきたいというお子さんだけでも点数を伸ばせないか、諦めてはいないけどなんとなく計算のコツのつかめないお子さんだけでも成績を伸ばしてあげたい。これを積み重ねるだけでも5年後・10年後に平均点を3点・5点程度上げることはできないか?
そのようなところからでも数学力を上げていきたいと思っています。