不登校の生徒の割合は文部科学省の調査で平成30年(2018年)で164500人ほどで全体の1.7%。だいたい60人に1人ほどが不登校になっています。ちなみに平成25年(2013年)は全体の1.5%だったので1割超増えていることになります。
特に小学生の不登校の割合が0.7%ほど(144人に1人ほど)と5年前の0.35%(276人に1人ほど)の率にして倍近くに広がっています。また中学生5年前の2.7%(37名に1名)から3.7%に広がっています。これを1年単位で見ても小学校・中学校ともに割合は増えているとのことです。
不登校の最大の原因はいじめとなっています。小学校・中学校・高校全体でのいじめの認知件数だけで544000件近くで生徒全体の4.1%ほど。つまりは25名に1名はいじめを受けている可能性が高いということです。少なくてもクラスで1名はいじめられているという計算です。いじめは私自身が学生時代だった昭和末期・平成初期に比べては減っているだろうとは思っていました。ただこの数字を見て予想よりもはるかに多かったという事実を知って愕然と来ました。これでは不登校がなくなるはずがないと。
しかもこの数値はあくまで認知件数なので、実際にはもっと多いであろうと予想されます。おそらく少なく見積もっても70万件から80万件はあるだろう。もしかしたら100万件近くあるかもしれないと感じています。正直こんなに多いとは思わなかったのでショックを隠しきれません。
また小学校・中学校とも先生の生徒への暴力はまだあるだろうなと予測しています。運動部では暴力は日常茶飯事、また都市部よりも地方では体質が古いということもあって先生から生徒への暴力は当たり前にあるだろうなとは予測していました。ただ生徒間同士のけんかというか暴力の認知件数が増えているということです。
小学校・中学校・高校の暴力の認知件数は73000件ほど、全体の生徒の0.55%ほどが少なくても暴力を受けていることになります。暴力の件数も昭和・平成初期よりは減っているだろうとは思いますが、まだかなりの数が残っているという実感を受けています。やはり日本からはそう簡単になくならないなという実感を受けています。
日本の社会はどうしてもストレス社会なのでどうしても暴力の連鎖が起こります。ちょうどお父さん世代の方も今の年配の方から暴力を受けて育ってきた世代なので。まだ暴力に対しての肯定的な意見も多いです。暴力をして威嚇をしないと若い世代の方を抑えられないという考えを持っている方がいまだに多いということですかね。団塊ジュニア世代の人間としてはとても悲しいことです。おそらくこの世代の方が後期高齢者になる25・30年程度はまだ暴力は続くなと感じています。またいじめも世間体を気にしないなどのような社会構造が劇的に変化しない限りは無くならないだろうなと思っています。
このような数字を見てもある程度のお子さんが不登校になってしまってもやむを得ないと感じます。特にお父様は自身の経験を照らし合わせて学校に行かせたがる方も少なくないと思いますが、これは絶対に逆効果なので即やめていただきたいです。お子さんが苦しい思いをしても良いのでしょうか。それはあまりにもご自身が身勝手と思うのは私だけでしょうか。
子供がいじめや先生・生徒からの暴力を受けているのであれば、それを守るのは親しかいないと思います。学校・教育委員会・市役所などに相談する。それでも動かなければ転校を考えて、転校先でもそれが止まないようであれば不登校も容認するという社会になってほしいです。不登校は今の時代恥ずかしいことでも何でもありません。世間体を気にして、子どもを守れない親の方が最低ではないかと。
特に中学生のお子さんは不登校になっても通信制高校もあります。高卒認定試験から私立大学であれば大学進学もできます。国公立大学は内心がかかわるので難しい面は出てきますが、それでも今の時代は道が閉ざされたわけではありません。いじめから幼少時に不登校になっても、大学にも進学できて立派な大人になれる機会は残ります。無理をして学校に通わせることが正義だとは絶対に思いません。
私たちが幼少時代は世間体が圧倒的に優位な時代を占めていました。ただもう世間体を気にする時代ではないでしょう。少子化も急速に進んでいます。出生率が1.3程度なので、このままではこの50年程度で日本の人口は少なくても3割程度は減ることが予想されます。さらにその後も日本の人口は減っていきます。今までの年配者を護ることも大事です。ただこれからの時代本当にお子さん世代を中心とした若者ファーストにしていかないと日本が本当に終わってしまいます。自分らさえ生きていければそれで構わないというのであればあまりにも自己中心的な考えではないかと思います。
特にお子さんがいじめを受けているお父様・お母様はしばらくは学校に行かない・不登校でも良いという新たな考えを持つことも必要だと思います。これでお子さん・家族を守ることもできるのではないかと考えています。いじめはある一定の年齢になれば少なくなります。高校生から大学生になればかなり減ります。そこまで通信制高校でもいいので進学して大学進学を目指すこともできます。そのような選択を考えていく時期が来たのではないかと思っています。いじめ・暴力と不登校、もう真剣に考えなければならない時代になってきました。
参考資料・出典
文部科学省:https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000021332.pdf