発達障害のお子さんの中にはコミュニケーションが苦手なお子さんもいます。というか多くのお子さんが苦手です。発達障害のお子さんの傾向としては人の話をあまり聞けない、聞かないというお子さんが多いです。マイペースで自分の話したいことをひたすら話すというお子さん。本当に慣れた方以外は口をきけない、聞きたくないというお子さん。相手の人の話の意味が分からずに会話のできないお子さんなど様々なタイプがいます。
ですのでこのような傾向のあるお子さんは友達ができにくい、先生と仲良くできないといった感じで孤立してしまうお子さんが多くなります。またそこからいじめられたりして不登校、不登校気味になってしまうお子さんも少なくありません。不登校になってしまうと勉強が遅れるなどの様々な影響が出てしまいますのでできるだけ避けたいです。
コミュニケーションな苦手だなというお子さんはまず共通の趣味、得意分野が近いお子さんとコミュニケーションをとってみるのがいいかなと思います。ゲームオタク、ぬいぐるみ好き、アニメ大好き、鉄道好きなど共通の話題がある方は話がしやすくなります。そこから盛り上がって友達になれることもあります。
あとは同じ年代や性別にこだわらないでコミュニケーションをとっていくという方法もあります。得意な年代・異性など様々な方と会話をできるようにするのもありです。発達障害のお子さんはイメージが大切になります。イメージが悪くなってしまうと行動や口を閉ざしてしまう傾向があります。なるだけご自身が話しやすい・好き・得意な環境を作ること、またはお母様やお父様が作ってあげることが大事になります。できるだけお子さんのホームグラウンドを作ることがとても大切になります。
ここから徐々にお子さんが自信をつかんでいろいろな方とのコミュニケーションを取れる可能性があります。自信をどうやってつかませることができるかが重要になります。
そして何よりも大事なことはお子さんが対応に時間がかかるということです。これは多くの方に共通することですが、発達障害のお子さんは特に新しいこと、不慣れなことをすることに大きな抵抗を示します。拒絶反応をしてしまうお子さんも少なくありません。そうなってしまうことを想定して長い目で見る、ある程度の我慢が必要です。「A君ができる・Bちゃんができるのに、なんでお前は・あんたはできないの?」という感じで問い詰めないでいただきたいです。そのようにしてもお子さんはかえって心を閉ざすだけで解決に近づきません。とにかく保護者の方の我慢が重要になります。
お子さんが1人でもいいというのであればそれでも良いという開き直り、あきらめがあってもいいと思います。お子さんの育児に真面目になりすぎないこと、ある面の適当さ、アバウトさも大事になってきます。まずご両親の方がご自身を追い込まないこと、さらにはお子さんを追い込まないことが第一です。それがもとで家族が壊れてしまったら元も子もありません。どのみちそれなりの時間はかかります。少し早くなるか遅くなるかの差です。
発達障害のお子さんとの付き合いはある面のアバウトさが最も重要なのかもしれません。深刻に考えすぎないこと、これに尽きるのではないでしょうか。