アメリカのみならず世界的にも超有名な俳優のトム・クルーズさんも発達性読み書き障害を持っていました。別名特異的読字障害ともいいます。この特異的読字障害とは脳に特別な損傷がないのに文字が習得できない状態のことを言います。トム・クルーズさんはこの特異的読字障害を持っていました。発達などに特別な遅れがないのでかなりの確率で見逃されます。
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の知的・発達障害研究部ではこの発達性読み書き障害はなかなか気づかれないので注意が必要と言っています。幼児期の早期発見とお子さんに合わせた指導が大事とのことです。
特異的読字障害は文字を正しくスラスラと読むことができない障害のことをいいます。読めないということもあって書くことも困難になります。医学的には発達障害の学習障害の中に入ります。限局性学習障害の中に入ります。小さい頃から文字に対する関心が低く、絵本を見てもパラパラとめくるだけという感じで興味を示さないというお子さんが多いようです。
ただ知能的には大きな遅れがないので大半は見過ごされることが多いです。だいたい小学校に入って国語の授業などで本を読む・文字を書くなどのケースで単語の文字が読めずに逐次読みをする・文章を正確に書けないなど・字を枠内に書けない・雑な字を書くなどの顕著な特徴があります。
そこからいじめの対象になって不登校などの社会的に深刻なケースに陥る、自分は国語や勉強ができないとなって学習を諦めてしまうなどの問題も出てきます。言語や認知に障害があることが多いです。
診断では知能検査と音読検査を行います。ひらがな・漢字・単語・文章などを読ませていくことで、どこに問題があるのかを判断していきます。障害に早く気付いて学習的な介入を行えるように、研究部では幼稚園教諭や保育士らの気付きを促す子どもの様子に関する観察シートを作ったりしています。
また特異的読字障害は英米圏の方に特に多く、少なくても1割程度の方にこの症状がみられるということも分かってきています。トム・クルーズさんの他にも、オーランド・ブルームさん、キアヌ・リーブスさん、キーラ・ナイトレイさん、ジェニファー・アニストンさん、ノエル・ギャラガーさんなどもこの特異的読字障害を持っていた可能性が高いことも分かってきました。
お子さんに読み書きに障害があるかもと感じた場合は、幼児発達に詳しい医療機関の先生・発達障害者支援センター・児童相談所などにまず相談をしていただきたいです。
参考資料・出典
時事メディカル;https://medical.jiji.com/topics/1732
BAZAAR:https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-buzz/g34708734/dyslexia-celebrity-201125-hns/